株式会社 森本組

現場レポート
牡鹿造成作業所

牡鹿造成作業所

津波の被害を大きく受けた街

牡鹿地区は、宮城県の東部、石巻市の牡鹿半島に位置している。牡鹿半島の西は石巻湾、東は太平洋に面している。半島全域が山地であり、海岸はリアス式海岸になっていて、その海岸部の多くが三陸復興国立公園に指定されている。半島沿岸には多くの漁港が点在しており、漁業はもちろんのこと、カキ・ホタテ・ワカメ・ホヤ等の養殖業も盛んに行われている。

2011年3月11日の東日本大震災により発生した津波は、石巻市にも甚大な被害をもたらし、浸水被害は市内の総面積の13.2%にあたる73k㎡にも及んだ。これは浸水被害にあった地域の浸水面積全体のおよそ13%を占めている。また、建物や人的被害も大きく、石巻市の全住宅の76.6%が被災した。

震災から5年経った今でも、継続的に復興事業が行われており、当社もその一部を担った。
引用元:石巻市HP-石巻市の復興状況について(平成28年8月)

工事概要

工事件名 牡鹿(小網倉浜・清水田浜、給分浜、十八成浜、泊浜)地区防災集団移転宅地造成工事
工事場所 宮城県石巻市牡鹿地区
発注者 石巻市
工期 平成25年7月17日 ~ 平成27年8月31日
施工 マルテック・森本組復旧・復興建設工事共同企業体

安全な場所に生活の拠点をつくる

当工事は、国土交通省が行う「防災集団移転促進事業」の一環であり、特に津波被害の大きかった沿岸地域にある住宅を、津波によって浸水した場所より高い位置へ移転するための事業である。石巻市においては、津波の被害が大きかった5地域50地区が当事業の対象となり、整備戸数は合計で1237戸。牡鹿半島内では、このうち12地区302戸が対象であり、当社はそのうち小網倉・清水田浜、給分浜、十八成浜、泊浜の4地区の施工を担当した。

位置図

この4地区は眼前に海が広がり、背後を高台に囲まれる地形であるため、津波が直撃すると、大きな被害を受ける。実際に、津波の浸水深は2mを超えた。そのため高台へ新たな宅地を造成し、住居を移転させることで津波を避け、住民の安全を確保する。

これまでに牡鹿半島内で行ってきた震災復興の工事は、現在進行中のものを含め、瓦礫処理、漁港の護岸工事、復旧工事など多岐にわたるが、生活の拠点となる住宅のための工事としては、今回の宅地造成工事がはじめてであった。

津波の被害状況
津波の被害状況 
引用元:石巻市HP-石巻市の復興状況について-(1) 被害状況
移転のイメージ
移転のイメージ 
引用元:石巻市HP-石巻市の復興状況について-6.(1) みんなで築く災害に強いまちづくり

移転予定地は、高台もしくは山の斜面の一部であったため、まずは山を切り開くところから工事はスタートした。地質に応じた方法で、時にはダイナマイトによる発破も用いて掘削を行い、その広さは4工区合計7.6ha、合計掘削量は約36万㎥にもなった。

安全性はもちろん、景観にも配慮しながら宅地をつくり、水道設備や道路を整備をして、約2年の歳月をかけ街を作り上げた。

新しい生活をスタートした住民の方の声

今回の工事で造成した給分浜地区に新しく住宅を建設された高橋さんにお話を伺った。

「2011年3月に震災が発生した当時は、今と同じ給分浜地区に住んでいました。それから仮設住宅へ移るまでに5ヶ月かかり、その間は自宅の畑の倉庫を仮住まいとして暮らしていました。電気、ガス、水道は当然なく、水道は山から水を引くなどしていました。また、震災発生から自衛隊の救援が来るまで1~2週間かかり、食料も自分たちで調達していました。仮設住宅に移り、当たり前のように電気ガス水道があること、そのような環境のありがたみを感じました。」
現在の住居が完成し、引っ越してきたのは2016年1月、震災からまもなく5年を迎えようとしている頃だった。

「新しい生活の拠点ができて、ようやく元の生活を取り戻せたと実感しています。」高橋さんも津波による被害を受け、生活の拠点を失ってしまった。このような状況の中、今回の新たな住居の完成を心待ちにしていたという。

当社でも震災復旧工事をいくつか行ってきたが、この現場は生活に一番重要な住環境の整備であり、「復興していることを直に感じます。」と高橋さんも語られたように、地元の方にとっては生活に直結する工事となった。現在、高橋さんが居住している給分浜地区を含め、各地区で住宅の建設が進んでおり、住民の方の転居も順調に進んでいる。

高橋さんには以前、当作業所で寮の炊事等を担当していただいた。他にも事務作業や寮の管理等、多くの方のご協力により、円滑に工事を進めることができた。地元の方に協力してもらうことで、雇用の創出とういう点でもわずかながら力になることができ、工事を通して地域と一体となって復興に向け、工事を進めることができた。

牡鹿半島内の防災集団移転事業の対象地12地区のうち9地区で2015年度中に造成工事が終了、宅地の引渡しが完了しており、2017年度初頭には全12地区で宅地の引渡しが完了する予定となっている。

引用元:石巻市HP-復興情報-復興の進捗状況・主な取組等-石巻市の復興状況について(平成28年8月)

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